コォラとフェヴァの戦闘記 【出会い編】 刀が旋回する。 軽いダンスを終えた後の様に着地すると、楽しそうに笑いながら訓練兵に言った。
コォラは刀を鞘に納めて「ちぇー」と言いつつ、残念そうな仕草を見せたが にやにやした表情を浮かべている。本気で誰かにやらせようという気は無かったようだ。 「フェヴァが反対するからこれ教えるのやーめた」 「誰にもできねぇだろ。もっと簡単で実用的なのは無いのか?」 「俺の持ち技は非実用的なものだけだ!!!」 「それが駄目だとゆーんだ!!」 「それ以外は出来るわけない!」 「威張るな! 一昨日渡しただろう!!作成したばかりの教育指導書。 あれにはまともで基本的な刀指南を記してあっただろう?あの通りに……」
予想通りあっさり避けて、避けるついでに刀の切っ先が来た。 弾丸で軌道を反らしつつ、フェヴァは体幹を半身だけ下げて回避する。 訓練兵から驚きと感動の声があがる。 フェヴァは更にコォラの太股に照準を合わせるが、止めた。 間合いをとった後、攻撃姿勢を止め、肩をすくめてため息を吐く。
「勿論!」
「はい」
この後は管理しない 敵もキメラもいない、人工ジャングル地帯だ、基本をしっかりやった者なら怪我をすることは無いだろう。サボる奴がいても、それはそいつが選んだ道だ。 後々どんな末路を送ろうとも自業自得だ。 訓練を真面目に受けていれば生き残る確率が増える……それだけの事だ。
あ!構って欲しいんだな★それならそうと…」
コォラは刀を鞘に納めた。
「兎に角、人に迷惑かけないように遊べよ」
あそこにコォラの部屋はないが…聞くのもだるいので何も言わず、フェヴァは本部へと向かった。 「…ここ、と」
画像の端に視線を移すと、小さくだが…
大都市とは言わないが、それなりに栄えた緑豊かな地域だった。
町の発展を担っている工場区が南にある山林の中央にあり、町の大半がそこで働いていた。
国にとって重要な三大企業と言われていた。 |